色々と悩みましたが、無職の身でもあることだし、ここは質素に平成2年のミラ23万円を買うことにしよう。そう決断した千歳は、叔父さんの弟であるM村さんが働く某整備工場を訪れました。 「どうもー。車見に来ました」 「おう、まあ見て行きや」 お、これはなかなか、思ったよりいい感じじゃないですか。確かにぼろいですけど、かなり丁寧に扱われていたようで、目立った傷なども見つかりません。 「ちょっと乗せても...
色々と悩みましたが、無職の身でもあることだし、ここは質素に平成2年のミラ23万円を買うことにしよう。そう決断した千歳は、叔父さんの弟であるM村さんが働く某整備工場を訪れました。
「どうもー。車見に来ました」
「おう、まあ見て行きや」
お、これはなかなか、思ったよりいい感じじゃないですか。確かにぼろいですけど、かなり丁寧に扱われていたようで、目立った傷なども見つかりません。
「ちょっと乗せてもらっていいっすか?」
M村さんの許可ももらい、千歳は車を少し走らせてみました。パワーはない感じですが、意外と滑らかに動いてくれます。これだったら高速道路もいけるかも。
よし、安いし、もうこれにするぞ!
「じゃあ、このミラ買わせてもらってもいいですかねえ」
「いいけど、ワシやったら、そのトッポBJバンの方にするけどねえ」
なんですと!?
M村さんが言うには、新しい車の方が、維持費がずっと安く済み、最終的にはそっちの方が得するとの事。
「AZワゴンの方は5年前の車でけっこう古いし、色々中途半端やと思うけど、トッポは平成12年で新しいし、メーカー保障も残ってるやろう。そりゃ、そっちの方が安心して乗れるわ」
なるほどー。中古車の世界も奥が深いです。
結局、もう一度考えてみると返事を残し、千歳は家路につきました。
うーん、どうしようか。
「……よし!」
ふいに思い立った千歳は、トッポを置いてある三菱の、中古車担当であるO西さんに電話を入れます。
担当のO西さんに事情を説明したところ、O西さんはトッポBJバンの良さを熱く語って下さいました。O西さんはとても仕事熱心なかたで、これまでも細かく千歳に連絡を入れて下さっていました。また、母が一度、実際にO西さんから車を購入したこともあり、母が言うには、その車はとてもよい買い物だったとの事。そんなわけで濱田家での実績もありますし、その真摯な対応には、千歳も好感を持たずにはいられません。
しかし、この車の良さはもうすでに何度も語られ、千歳もいい加減わかっています。今回の電話には、実は他の目的があったのです。
「よくわかりましたO西さん。もう一日、じっくり考えさせて頂きます」
「はい、本当におすすめできる車ですから、どうぞよろしくお願いします」
「ところでO西さん」
「はい?」
「トッポBJバンですが、もう少し、値段って下がりません?」
「………」
「………」
「検討させていただきます(T_T)」
営業って大変だなあと思いました。

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