父方が代々ハゲの家系です。 親父もハゲだし、死んだおじいちゃんもハゲだったし、私が物心つく前に死んでいたひいおじいちゃんも遺影見たらハゲでした。 そんなサラブレッドな家系に生まれた私にとって、ハゲはとても身近なものでした。 幼い頃からハゲを強く意識し、自分の将来とハゲを切り離して考えることなど、しようとしても出来ようのない人生を送りました。 強迫観念に駆られ、一時期は自暴自棄になったこ...
父方が代々ハゲの家系です。
親父もハゲだし、死んだおじいちゃんもハゲだったし、私が物心つく前に死んでいたひいおじいちゃんも遺影見たらハゲでした。
そんなサラブレッドな家系に生まれた私にとって、ハゲはとても身近なものでした。
幼い頃からハゲを強く意識し、自分の将来とハゲを切り離して考えることなど、しようとしても出来ようのない人生を送りました。
強迫観念に駆られ、一時期は自暴自棄になったこともありました。
くそ、どうせもうすぐ抜けてしまうのだ。
だったらやりたいことをやってやろう!
そう思って金髪にしたり真っ赤にしたり、ストパーあてたりドレッドにしたり、もうやりたい放題でした。
しかし、そんな自分も気がつけばミソジーズ。
驚いたことに、今のところカツラの必要性は感じていません。
以前のように自暴自棄な感情は、年齢を重ねるにつれて私の中から消えていき、そして今ではとても穏やかな気持ちで鏡に映る自分(の髪)を眺めることができます。
ある日、鏡の前でドライヤーを手にしていた私は、そっと呟きました。
「ありがとう」
俺のぞんざいな扱いに腐ることなく、今までずっと一緒にいてくれてありがとう。
これから、俺はまだ長い年月を生きていかなければならない。
いずれ、別れはやってくるのかもしれない。けれど。
お前たちと過ごした日々を、俺は忘れないだろう。
ありがとう。今まで一緒にいてくれて、ありがとう。
熱風にも頼もしくそよぐ髪たちへの誇らしさと、感謝の気持ち。そんなもので胸をいっぱいにしながら、私はついに、長年共にしてきた呪縛から解き放たれたように感じたのです。

コメントしてください

Trackback Information

Contents Menu
