年末年始は実家に帰っていた。 実家のある高知県の、主なコミュニケーションの手段は酒だ。 というわけで、高知では毎日酒を飲んでいた。 終電が10時過ぎという土地柄なので、高知県でもっとも大きな盛り場に飲みに行ったら帰りは大抵タクシー。盛り場から自宅まで、深夜料金で4500円前後になる。 その日は昔の職場仲間だった鈴木君(仮名)と酒をしこたま飲んだ帰りで、ありがたいことに父親が町まで迎えに...
年末年始は実家に帰っていた。
実家のある高知県の、主なコミュニケーションの手段は酒だ。
というわけで、高知では毎日酒を飲んでいた。
終電が10時過ぎという土地柄なので、高知県でもっとも大きな盛り場に飲みに行ったら帰りは大抵タクシー。盛り場から自宅まで、深夜料金で4500円前後になる。
その日は昔の職場仲間だった鈴木君(仮名)と酒をしこたま飲んだ帰りで、ありがたいことに父親が町まで迎えに来てくれた。
酔いすぎて制御が怪しくなった体を助手席に押し込み、シートを少し倒して息をつく。隣の父親はずいぶん酒臭い思いをしているのだろうがなにも言わない。
車が少し走ると人工的な光は急速にそのシェアを失い、田舎の道は信じられないほど暗くなる。
夜の暗さに吸い込まれそうな感覚がとても嫌で、思わず目を閉じる。
けど無駄だった。
血とともに体内を駆け巡るアルコールと、夜の深さに、僕は吸い込まれた。

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